「あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの!」を紹介したいと思います。
タイトルの『あだしの』は、『 化野家』という一族の名前です。
人間の他にもケモノと呼ばれる人ならざるものも息ずいている極東の小さな島国、瑞穂国。
瑞穂国を治める帝を代々支えてきた宝生家の姫君、櫻子がヒロインです。
化野家に嫁ぐことになった櫻子でしたが、化野家の当主から、要望したのは『奥さん』ではなく『お手伝いさん』だと言われてしまいます。
成り行きでお手伝いさんとして働くことになった櫻子の恋と成長の物語です。
「あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの!」は、こんな方におすすめします。
- 和風ファンタジーが好きな方
- ヒロインの恋と成長を読みたい方
「あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの!」
本の情報
著者 中村朱里
イラスト 宵マチ
ジャンル ライトノベル/一般
出版社 一迅社
発売日 2020年7月20日
あらすじ
「――当家に女房をよこせ」人外の化け物を統べる「化野家」からの命令に、白羽の矢が立ったのは異界から召喚された少女だったはずなのに……。なぜか、あれよあれよという間に、その少女の身代わりになることになってしまった宝生家の姫・櫻子。彼女は、言われるがまま化け物屋敷と恐れられる化野家に嫁ぐことに。ところが、当主の征獣狼から、必要なのは花嫁ではなくお手伝いさんだと言われてしまって!? 身代わり花嫁になるはずが、お手伝いとして働くことになってしまった姫君の和風ラブファンタジー。 ※電子版はショートストーリー付。
引用元:
あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの! コミックシーモア
用語説明
ケモノ
生き物が死んだあとに転化した存在。人知を超えた力を持つとされている。
モノノケ
無機物に命が宿り、意思を持った存在。
ケダモノ
人を襲い、喰らうとされる。堕ちたケモノ。普通の人では太刀打ちできない。
化野家
化け物屋敷として恐れられている一族。すべてのケモノやケダモノを統べるとされている。
宝生家
御三家を取りまとめ、帝に仕えている大貴族。ケモノやケダモノに好かれる性質を持っている。
御三家
ケダモノに立ち向かう貴族家で、「剣」の草薙家、「鏡」の八咫家、「玉」の弥栄家を指す言葉。
登場人物
宝生櫻子
帝を代々支えてきた一族宝生家の第2子。通称は『桜姫』。16歳。
両親を早くに亡くし、兄を筆頭に周囲に大切に育てられてきました。
艶かな黒髪、磁器のような白くきめ細やかな肌、闇夜の中で星がきらめくような瞳の小柄で華奢な体型の姫君です。
性格は天然。周りから極端だと評されますが、本人は意味がわかっていません。
櫻子にとってケモノとは、善き隣人であり、好ましき友人でもあります。
「あらあらまあまあ」が口癖。
化野征獣狼(あだしのせいじゅうろう)
誰もがその名を聞くだけで震え上がる化野家当主。
自堕落に過ごすことが好きで、普段は寝所にこもっています。
延び放題の長い白髪に、白い着物の着流し姿で、手足も白い。
何もかも白く、初めて会った櫻子の感想は、『まるで雪の化身の殿方だ』
銀混じりの黒の右目と金混じりの青の左目、凄絶な美貌の青年です。
優しい性格。大人げないところもあります。
吉宝丸
化野家の家事一切を取り仕切りる少年従者です。
名もなきモノノケでしたが、櫻子が『吉宝丸』と名付けます。
見た目は愛らしい少年ですが、征獣狼には手厳しく、叩いたり、蹴りを入れたりすることも。
吉宝丸は本来の役目を果たせず、自分の存在価値がわからなくなっていました。
役目とは?役目は果たせるのか?物語終盤にわかります。
おすすめポイント
異界より召喚した少女(マレビト)の代わりに、恐怖の対象である化野家へ嫁ぐことになった櫻子。
もともと櫻子は御三家の若者たちの誰かと婚姻するはずでした。
敬愛する兄の役に立てるのであればと、冷静に受け入れた櫻子でしたが、さまざまな想いを抱えていました。
征獣狼に胸の内を明かす場面があります。
櫻子は花嫁ではなく、『お手伝い』として化野家に置いて貰うことになりました。
征獣狼が『お手伝い』を要望した理由は、『お手伝い』に大事な役目があったからでした。
『化野征獣狼』には国の機密事項となるような事情があって、物語終盤に明かされます。
中村朱里さんの著書
魔法使いの婚約者 (アイリスNEO) Amazon
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などがあります。