独特な世界観が魅力のおすすめ和風ファンタジーラノベ5選

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今回は、独特な世界観のある和風ファンタジー作品を紹介したいと思います。

 

羽衣伝説と竹取物語のエッセンスを取り入れた「水無月家の許嫁」や、神話に由来する八つの家が支配する千和国の王宮を舞台にした「王と后」、現代日本を舞台に人間とばけものが共に暮らす世界を描く「ばけもの和紙庵の花嫁さん」など5作品を選びました。 

 

※若干ネタバレしていますので、気になる方はご注意下さい。

 

 

 

 

友麻 碧「水無月家の許嫁」

 

 

 

「水無月家の許嫁」コミックシーモア

 

父の最後の言葉によって深く絶望し、生きる意味を見失っていた16歳の水無月六花。そんな六花の前に現れたのは、水無月家本家の当主と名乗る水無月文也でした。文也は六花が自分の許嫁であると告げます。父を失い天涯孤独となった六花は、京都嵐山にある水無月家本家で暮らすことになり、そこで自分の居場所を見つけていきます。

 

特殊な境遇に置かれた若い2人のピュアなラブストーリーです。

父の死に絶望していた六花は、水無月家本家での新しい生活が始まり、文也の支えによって身も心も徐々に救われていきます。しかし、その穏やかな日常も長くは続かず、やがて水無月家のお家騒動に引き込まれていきます。六花と文也は、天女の末裔である水無月家の特殊な宿命に縛られながらも、本当の愛を追い求め、心の葛藤を乗り越えていきます。

 

この物語の魅力は、ファンタジーと現実が絶妙に混ざり合った独特の世界観と、六花と文也の心の葛藤が丁寧に描かれている点です。また、恋愛要素だけではなく、家族愛や親の世代から続く因縁、そして複雑に絡み合う人間関係も描かれている点も見所です。

 

現在3巻まで発売されています。

 

浅木伊都「火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています」

 

 

 

「火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています」コミックシーモア

 

由緒正しい石戸家の娘でありながら、使用人として働かされていた16歳の小夜。ある日、義姉に濡れ衣を着せられ、猩々に売り飛ばされてしまいます。猩々の屋敷で裁定(人間の格付け)を受けていた小夜は、偶然にも火の神である鬼灯の祝言の場に出くわします。花嫁は花婿である鬼灯を醜い神と言い逃げ出しますが、小夜の目には鬼灯は美しい男神に映ります。小夜を気に入った鬼灯は、「俺の花嫁になれ」と言いますが、小夜は自分には分不相応だとして断ります。すると鬼灯は、小夜が持つ「蝶の耳」─物の声を聞く力─に目をつけ、鬼灯の花嫁しか入れない呪われた屋敷の掃除を依頼します。こうして小夜は、鬼灯の花嫁兼掃除人として新たな生活をスタートさせます。

 

火の神の掃除人兼花嫁となった小夜と、呪われた火の神・鬼灯の大正溺愛ファンタジーです。

小夜が掃除人として迎えられたと思っている一方で、鬼灯は小夜を掃除人としてではなく、いずれ名実共に自分の花嫁にするつもりでした。最初は食い違いがありましたが、2人は周囲の思惑に巻き込まれながらも夫婦として絆を深めていきます。また、自己評価の低い小夜でしたが、鬼灯に大事にされ、「蝶の耳」の力を活かして鬼灯の役に立つことに喜びを見出し、徐々に自分に自信が持てるようになっていきます。物語には、本を司る神・扇や豊玉姫といった神々など個性豊かなキャラクターたちが登場し、それぞれが独自の魅力を放っています。

 

現在3巻まで発売されています。

 

 

 

顎木あくみ「人魚のあわ恋」

 

 

 

「人魚のあわ恋」コミックシーモア

 

赤い鱗のような痣のせいで、家族から虐げられてきた女学生の天水朝名。8年前、怪我を手当してくれた青年の言葉を支えに、辛い日々を耐えてきました。そんなある日、お見合いの席で驚くことに、その思い出の青年と再会します。時雨咲弥という青年は、偶然にも朝名が通う女学校の新任の国語教師でもありました。

 

和洋入り交じる華やかな帝都を舞台に、痣によって人生を狂わされてきた朝名と咲弥の運命の恋物語です。

2人の縁談は時雨家の言い伝えを信じる咲弥の祖父が仕組んだことでした。朝名は自分の身も顧みず、咲弥を悪鬼のような父や兄の手から守ろうとします。一方の咲弥は、祖父の願いを叶えるためだけに縁談を受け入れましたが、次第に朝名に惹かれていきます。2人は互いを思いやりながら、少しずつ心を通わせていきます。しかし、周囲には2人の仲を切り裂こうとする人たちがいます。これから2人が共に望む平穏な生活を送るためには、幾多の困難に立ち向かう必要がありますが、深い絆で試練を乗り越えていくことでしょう。

 

現在1巻まで発売されています。

 

深山くのえ「王と后」

 

 

 

「王と后」コミックシーモア

 

神話に由来する八つの家が支配する国「千和」の第六十九代の王・一嶺鳴矢の后となった天羽淡雪には、遠くの物事を見聞きすることができる『天眼天耳』という術を持っていました。后としての生活を始めたその日のこと、王宮の様子を術で見ていた淡雪は、鳴矢が「……惚れたんだよ」と誰かに言っている場面を偶然見てしまいます。鳴矢が初めて顔を合わせた自分に好意を持ったことを知り、鳴矢が気になり始めます。しかし、千和国において、王と后が親しくすることは禁じられていたのです。

 

神話に由来する八つの家が支配する千和国を舞台に、名ばかりの后・淡雪と中継ぎの王と呼ばれる鳴矢のラブストーリーです。

千和国では王の代替わりのたびに、天羽家の娘が后兼巫女として迎えられていました。しかし、七家と天羽家のとの関係は長年の隔絶で悪化し、天羽の娘は后とは名ばかりで、人質同様で後宮の館に閉じ込められていました。しかし、王の鳴矢は后となった淡雪に恋をしてしまい、淡雪と本当の夫婦になることを望みます。一方、淡雪も鳴矢の隣に堂々と立つために、真の后になることを決意します。2人は思いを一つにしますが、前途多難の道のりになりそうです。中継ぎの王、名ばかりの后ということで軽んじられている中で、2人はどのようにこの状況を打破していくのでしょうか?

 

現在4巻まで発売されています。

 

 

 

糸森環「ばけもの和紙庵の花嫁さん」

 

 

 

「ばけもの和紙庵の花嫁さん」コミックシーモア

 

大学時代から付き合っていた恋人と結婚直前で破局した桃子は、2ヶ月前から実家のある函館で自堕落ライフを送っていました。そんな桃子を心配した叔母の香代子が騙し討ちで見合いをセッティング。お見合いの場に現れたのは、驚くことに烏のばけもので、名前は八代元親という和紙屋「こより庵」の店主でした。傷心中の桃子は、破れかぶれな気持ちから元親に「お試し夫婦」を提案します。桃子は烏の姿のままの元親との結婚を想像していましたが、元親は人間の姿にも変身できることが分かって驚きます。人間の姿はイケメンの青年で……。

 

人間とばけものが共存する現代の函館を舞台に、傷心の桃子とばけもの元親のお見合からはじまるラブストーリーです。

人間とばけものが共存していても、同族同士の結婚が一般的です。同じ食糧でいいのか?寿命の違いは?夫婦生活は?当然不安なことが様々出てくる訳ですが、傷心中の桃子は破れかぶれな気持ちから、「お試し夫婦」を提案します。香代子のおせっかいもあって、2人の関係はトントン拍子に進んでいきます。桃子は元親が営む和紙屋「こより庵」で手伝いをするようになり、そこで様々な人やばけものと出会い、不可思議な出来事を経験することになります。

 

1巻完結。

 

最後に

今回は、和風ファンタジーの中でも独特な世界観のある作品を取り上げました。 

 

羽衣伝説や人魚伝説などを題材にした物語、神々やあやかしが登場する物語、中にはちょっと血なまぐさい要素があるものや、ほっこりするものまで、様々なタイプの5作品を選びました。

 

どの作品も読みやすく、予想がつかないストーリー展開が魅力です。もし気になる作品が見つかりましたら、ぜひ一度読んでみてください。