今回は、現代の恋を描いたTL 小説を3作品紹介したいと思います。
1つ目の作品は、西條六花さんの「ひそやかな花 その眼差しに揺らされて」。この物語は、互いに素直になれない男女の都合の良い関係から始まる長編ラブストーリーです。
2つ目の作品は、西條六花さんの「夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む」。この物語は、過去の恋愛の辛い記憶に囚われているヒロインと、そんなヒロインを一途に愛するヒーローが織りなすラブストーリーです。
最後に紹介するのは、井上美珠さんの「君が好きだから」 。この物語は、自己評価の低いヒロインとクールなイケメンヒーローのお見合い結婚から始まる溺愛ラブストーリーです。
3つの異なる恋の形を楽しめます。
※若干ネタバレしていますので、気になる方はご注意下さい。
西條六花「ひそやかな花 その眼差しに揺らされて」
「ひそやかな花 その眼差しに揺らされて」【完全版】コミックシーモア
ヒロインの詩織は、誰もが振り返るような美貌の持ち主で、男性からは高嶺の花、同性からは敵わないと思わせるような女性です。恋愛には後ろ向きで、自分は普通の恋愛ができないと思っています。
ヒーローの総一郎は、仕事が忙しく、女性との関係が長続きしないことが常で、女はいなくても構わないという考えを持つ、無愛想で無口な男性です。
都合の良い関係からスタートした詩織と総一郎。いつしか互いにとってかけがえのない存在となります。しかし、2人にはそれぞれ片思いの相手がいるという現実が……。素直になれなくて、すれ違ってしまう不器用な2人のラブストーリーです。
恋愛模様だけでなく、詩織が暮らす素敵な日本家屋や、料理が得意な詩織の手料理についても詳しく描かれていて、詩織の暮らしぶりにも魅了されます。
西條六花「夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む」
「夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む」【完全版】コミックシーモア
「ひそやかな花 その眼差しに揺らされて」のスピンオフ作品です。
ヒロインのあかりは、一年前から『終の住処』として購入した一軒家で、経済に関するコラムを書いたり、野菜を作ったり、田舎暮らしを満喫していました。面倒見が良く、見ず知らずの悠介に自宅のトイレや風呂を貸したり、食事も振る舞ったりします。
ヒーローの悠介は、気さくでおおらかな性格の持ち主です。あかりより6歳年下ですが、年の差を感じません。一軒家を一括購入したためリフォームする資金がなく、あかりの自宅の風呂とトイレを借りることになります。
過去の苦い恋愛経験から1人で生きていくと決めていたあかりと、今まで仕事優先で恋愛は二の次だった悠介。あかりは悠介との出会いでがんじがらめになっていた心を解き放ち、新たな恋に踏み出していきます。
恋愛模様だけでなく、あかりの田舎暮らしや、悠介の染色作家の仕事についても詳しく描かれています。
井上美珠「君が好きだから」
美佳は、作家としての活動に加え、茶道と華道の名取でもある教養豊かな女性です。その上、人柄も良く、料理の腕前も抜群ですが、平凡な自分がどうしてこんなに愛されるのか不思議に思います。誰かを好きになるのに理由はないと言いますが、自分を平凡だと思っている控えめな性格も、紫峰にとって特別な魅力なのかもしれません。
一方で、紫峰には瞳子という2年付き合っていた恋人がいました。瞳子との結婚を視野に入れていましたが、父のゴリ押しのお見合いの場で美佳と出会い、美佳こそが運命の相手であると感じます。瞳子に別れを告げ、美佳とスピード結婚します。美佳の気が変わらないうちに結婚したい、他の男性に取られたくないという強い思いからでした。
紫峰の熱い思いでスピード結婚。美佳はどれだけ愛されヒロインなんだと思うくらい溺愛されます。
運命の出会いに憧れる方や溺愛ものが好きな方にオススメしたいラブストーリーです。
コミカライズ版もあります。
最後に
現代の恋を描いたTL 小説の中から、特におすすめの3作品を紹介しました。
経営者の詩織と一級建築士の総一郎のラブストーリー「ひそやかな花 その眼差しに揺らされて」
元為替ディーラーのあかりと染色作家の悠介のラブストーリー「夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む」
翻訳家兼小説家の美佳とSPの紫峰のラブストーリー「君が好きだから」
どの物語も、大人が読んでも楽しめるラブストーリーです。興味を持たれた作品があれば、ぜひ読んでみて下さい。