【ネタバレ】「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが……」

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「安全な場所で祈るだけの役立たずな妻」――そう陰口を叩かれながらも、戦場へ赴いた夫の無事をただひたすらに祈り続けていたフローラ。しかし英雄となって帰還した夫が持ち帰ったのは、感謝の言葉ではなく離縁状でした。

 

今回ご紹介するのは、「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが……」です。すべてを失ったはずのフローラが、旅の中で自分の居場所を見つけていく物語です。

 

 

 

 

作品情報

 

 

著者   遠雷

イラスト とき間

ジャンル ライトノベル

出版社  KADOKAWA

発売日  2025年11月25日

巻数   2巻完結

 

あらすじ

不死魔獣との苛烈な戦場で、聖剣を手にし、聖騎士として覚醒したエリオット。王国の英雄となって帰還した彼が妻フローラに突きつけたのは――離縁状だった。

「戦場でそばに寄り添い、支え続けてくれた聖女を愛してしまった」

そう告げる夫の言葉に、フローラはただ静かに離縁を受け入れる。安全な王都でただ祈ることしかできなかった自分には、彼の隣に立つ資格などなかったのかもしれないと思って。そうして彼女は王都を去ったのだった。

だが、その日を境にエリオットの聖剣は陰りを見せ始めて――。

一方、すべてを失ったフローラは、旅の中で一風変わった人々と出会い、自分の居場所を見つけ始める。やがて彼女の祈りは、女神の加護をいただく祝福となり、仲間を護る奇跡となってゆく。

引用元:

「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが……」ブックライブ

 

登場人物

フローラ

カディラ子爵の姪だが、現在は平民として暮らしています。夫エリオットの遠征中は悪意に晒され続け、針子の仕事を失い、生活にも困窮していました。

 

ギルバート

元騎士。

利き腕を負傷して騎士団を退役しました。異母兄が元王国騎士団団長ライオネルです。

 

エリオット

準男爵家の次男。王国騎士団の副団長。不死魔獣討伐の遠征中に、聖剣を得て聖騎士の称号を授かり、その活躍から国の英雄と呼ばれ、凱旋後には伯爵位を賜りました。

 

エミリー

可憐な容姿の見習い僧侶。献身的に浄化をして回るエミリーは、騎士たちから聖女様と呼ばれるようになり、エリオットの聖剣も彼女がもたらしたとされました。

 

ディラン・アグレアス・ジエメルド

ジエメルド公爵家嫡男で、次期当主。現当主が健在の為、儀礼爵位としてアグレアス伯爵を名乗っています。エリオットの後ろ盾です。

 

 

 

読みどころ

「安全な場所で祈るだけの役立たずな妻」と陰口を叩かれながら、戦地へ赴いた夫エリオットの生還を女神様に祈り続けていたフローラ。しかし、1年8ヶ月ぶりに帰還したエリオットが持ち帰ったのは、離縁状と婚姻無効の勅旨でした。エミリーへの愛を告げられたフローラは、それを受け入れるしかありませんでした。

王都を離れ、鍛冶職人の村に立ち寄ったフローラは、北部の戦地へ向かうというギルバートと出会い、彼と共に不死魔獣討伐の旅に加わります。一方エリオットは、いつの間にか聖剣の力を失っていることに気づき、元に戻そうとしますが――。

 

物語の背景に、聖騎士や聖女を政治の駒として扱う権力者や、不死魔獣を利用して裏で暗躍する者がおり、フローラはその渦中に巻き込まれていたのでした。物語はフローラとギルバートの恋愛模様も描かれていますが、主軸はあくまで不死魔獣討伐に置かれています。役立たずと蔑まれたフローラが、不死魔獣討伐の旅の中で、自分が必要とされる場所と生き方を見つけていく物語です。

 

ネタバレ(結末までの内容)

※以下、物語の結末に触れる内容を含みますのでご注意ください。

 

北部へ旅立ったフローラたちは、傭兵や私兵団、聖職者たちと協力し、不死魔獣を掃討していきます。戦いの後、ギルバートの戦斧にはいつの間にか女神を象徴するアイビーのリーフが刻まれていました。

一方エリオットは聖剣の力を取り戻せないまま、後ろ盾のアグレアス伯から聖剣のレプリカを渡され、その事実を隠し続けます。聖女として讃えられていたエミリーも、周囲が彼女の評判に違和感を抱き始めた頃、自身の浄化魔法が発動しないことに気づきます。

王都では競技場で観覧討伐が行われ、巨大な不死スライムが現れます。エリオットの聖剣(レプリカ)は崩れ落ち、彼は不死スライムに飲み込まれてしまいます。同時にエミリーが聖女ではなかったことも暴露されます。大混乱に陥る競技場に、密かに王都入りしていたフローラたちが駆けつけ、不死スライムを殲滅させ事態を収めます。この直前に、フローラは自分が「標の魔法使い」、聖女だということを知ります。

観覧討伐の事件後、女神様への憎悪から、不死の世界に作り変えようと企てていたアグレアス伯は、結界が張られた塔に幽閉され、これから長い裁判にかけられることになりました。アグレアス伯の甘言に乗せられた国王は、3年の猶予の後に王座を退かせることに決まり、実権は王太子へと移りました。エリオットは希望通り国境警備の任に、エミリーは教会預かりとなりました。そして、実は聖女だったフローラと、聖剣を授かったギルバートは、聖女や英雄と呼ばれることを望まず、静かに鍛冶職人の村で暮らし始めるのでした。

 

コミカライズ作品

「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが……」ブックライブ

 

「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが……」【分冊版】ブックライブ

 

最後に

今回は、「さよなら、英雄になった旦那様 ~ただ祈るだけの役立たずな妻のはずでしたが…… 」をご紹介しました。

 

自分の価値を自分の手で見つけ出していくフローラの姿には、静かな強さを感じました。

祈ることしかできなかったフローラが、旅の中で本当の居場所と愛を見つけていく物語、気になった方はぜひ手に取ってみてください。