
今回ご紹介するのは、白川紺子さんの「棘公爵の花嫁 賭けをしましょう、旦那様」です。2015年に コバルト文庫から刊行された作品の新装版で、没落した伯爵令嬢ジゼルと人嫌いの公爵バートラムが、結婚をきっかけに惹かれ合っていく王道ラブストーリーです。
作品情報
著者 白川紺子
ジャンル 小説
出版社 集英社
発売日 2026年4月17日
著者・白川紺子さんの他の著書には、以下のような作品があります。
「烏衣の華」
「花菱夫妻の退魔帖」
「後宮の烏」
あらすじ
父が政争に敗れ、失脚したまま亡くなってしまった伯爵令嬢のジゼル。財産を没収され、好色爺の商人に引き取られかけたとき、青年公爵バートラムが現れた。3年前、ジゼルの父に賭けで負けた際の約束を果たすため、ジゼルを妻に迎えると言うのだ。冷酷で人嫌いとされ、周囲に恐れられる彼との結婚生活が始まるが、バートラムの過去ややさしさに触れるうち、ジゼルは次第に惹かれていき・・・・・・。――人嫌いの青年公爵×年下の没落令嬢。可愛いカップル好きに超おすすめ! 結婚からはじまる幸せの物語。
登場人物
ジゼル・レイン
レイン伯爵家の令嬢、17歳。
金髪と青い瞳を持ち、野ばらに喩えられる美少女。父の失脚と死という逆境の中、伯爵家再興を胸に秘めています。
バートラム・ブランローズ
ブランローズ公爵。27歳。
ダークブルーの瞳の端正な顔立ちの青年。父が反逆罪で処刑され一時は爵位を剥奪されましたが、戦功によって復権。その苛烈な戦いぶりから「血薔薇公爵(ブラッディ・ローズ)」と呼ばれており、人嫌いで知られています。
読みどころ
物語は、好色な商人の元に引き取られようとしている没落した伯爵令嬢ジゼルの前に、ブランローズ公爵バートラムが現れ、「レイン卿との約束を果たしにきた」と告げた場面から始まります。3年前の賭けに負けた彼は、ジゼルの父と「ひとり娘と結婚する」という約束を交わしていたのです。
ジゼルは結婚を受け入れ、伯爵家再興のためにもバートラムに愛される妻になろうと心に決めます。バートラムからは「近づくな、話しかけるな、視界に入るな」という厳しい条件をつけられますが、ジゼルは臆することなく少しずつ距離を縮めようとします。最初はあくまでも打算でしたが、純粋な恋心へと変わっていきます。
一方のバートラムは、子ども相手に無下にできず、気づけばジゼルのペースに引き込まれていきます。2人のやり取りは微笑ましくも温かく、読み進めるほどに関係の変化が楽しめます。
後半では、ジゼルの父を失脚させた張本人、セント・オールモア伯爵を追い落すべく、2人で宮廷へと乗り込みます。展開はテンポよく、飽きずに読み切れます。また、ブランローズ公爵家の老家令ホプキンとレイン伯爵家の老執事トビアス、王太子レオナルドといった脇役たちも見どころのひとつ。それぞれの立場から2人を支える姿が、物語に温かみと奥行きを加えています。
最後に
没落令嬢と人嫌いの公爵が織りなす、王道でありながら心温まるラブストーリー。ぜひ読んでみてください。